Space Member's Reports vol.1 | 荒木望美-Araki Nozomi



 スポーツメンタルコーチとして選手と関わり始めて半年。ジュニアからプロ選手まで、様々な選手に対してメンタルコーチングを提供している荒木コーチ。



Space Menber's Reports vol.1は荒木コーチの人柄に迫った。

   


メンタルコーチとして選手への愛情を大切にする



ー本日はよろしくお願いします。まずはメンタルコーチを始めて荒木さんが日々感じていることや思っていることを聞かせてください。



 メンタルコーチを始め6ヶ月経ち、毎日が楽しいですね!選手のことについて変化があったり、選手のことを考えて今日は何をしようかなと考えている時はワクワクしています。

 もちろん悩んだり凹んだりもしますが、それでも楽しいです。メンタルコーチってなんでこんなに楽しいんでしょう?(笑)

ーいつも元気なイメージの荒木さんが悩んでしまうのは意外です。どうやって解決していますか?



 紙に書き出して、自分の中で整理することが多いかもしれません。あとは、スポーツメンタルコーチの仲間に相談したりします。

 同じ10期で学んだ講座生やSpaceなど、一人で悩み続けなくてもいい環境があることはありがたいなと思います。

 すぐにみんながアドバイスをくれたりするので助かります。




ーメンタルコーチとして選手と関わる時に一番大切にしていることは何ですか?



 笑顔!先ずはこれが大切ですね。そして、何でも受け入れてあげるようにしています。あとは「選手の幸せを願うこと」ですかね。これは鈴木さんに教わったことでもあります。

 結局選手への愛情が大事なのかなと思います。それが一番大事かもしれません。


支えられた経験があるからこそ、支えられる人になりたい



ーご自分のスポーツ経験を教えてください。




 小、中、高校生まではバレーボール。そこからマラソンをして、今はウエイトリフティングをしています。

 最近はサボっていますが…(笑)。その中でも高校生のバレーボール時代は一番今につながっているかもしれません。その時が怪我が続いてしまって一番辛かった時期だったんですね。


 膝の亜脱臼症候群という先天性の怪我をしてしまい、手術をしてからは思うように練習ができなくなってしまいました。チームのみんなが辛い練習をしている時に、「何で自分はみんなと同じ練習ができないんだろう」と思ってしまって。




ーその苦しい時期は、どう乗り越えたんですか? 




 当時は家に帰っても「何でバレーができないんだろう。何でこの足はこんなに腫れとるんやろう。」そういう思いでいつも泣いてしまっていました。


 母は厳しい人でもあったので「みんなの前ではなくな」「やれることをやれ」と言われたりもしましたが、どんな時でも支えてくれたことに感謝をしています。

 その支えもあったので、たまに逃げ出したくなることはありましたが、やめたいとは思わなかったです。それだけバレーが好きだったんだと思います。


 いちばんの支えになってくれたのは当時のチームメイト達でした。怪我で仲間たちとキツイ練習を一緒にできなかった。

 「あの子はどうしてキツイ練習をしないのか」そんな風に思っているのではないかと思ってしまいました。しかし、本音で話した時に「バレーができなくて辛かったよね」と本気で気持ちをわかってくれた。


 だからこそ、最後まで腐ることなく頑張ることもできました。最高の仲間に支えられたと思います。そういう経験をできたことはちょっと得だったかな。悔しかったけど(笑)





ーその時の経験がスポーツメンタルコーチにもつながったのでしょうか?



 その時の経験は大きいですね。短大を卒業し仕事を選んだ時もスポーツ関係の仕事につきたいという気持ちはあったのですが、当時はスポーツメンタルコーチという職業もなかったですから。そこから福祉の道に入ったものの、スポーツと関わりたいという消えていませんでした。

 そんな中で、自分の高校時代と同じような境遇の子に出会い、そんなアスリートの役に立ちたいという思いがまた湧いてきました。そして色々と調べて行くうちに、「スポーツメンタルコーチ」という職業があることを知りました。そこからは早かったです。「やりたい」と思ったら猪突猛進なので。

毎日楽しく、幸せな選手を増やす



ースポーツメンタルコーチをしていてやりがいを感じるのはどんな時でしょうか?



 明らかに選手が変化した時はとても嬉しいです。例えば、コーチングを始めた時には、後ろ向きな言葉ばかり使っていた選手が前向きな言葉を使うようになったりします。 

 メンタルコーチをしているジュニアのバレーボールチームが最初、試合中に全く笑顔のないチームだったんです。勝っても負けても無表情。


 うまくいかなかったら選手同士が責め合って自滅してしまうような。「勝ちたい」という言葉を言うけど「どうせ負けると思っていた」というような。

 そこに「バレーってチーム競技やろ?」という根本的なところから話から始めて、「ハイタッチ大作戦」と称して点数を取られても笑顔が出るようにしました。


 まだまだではあるのですが、チームの盛り上がりも以前とは全く違った雰囲気になってきましたね。監督さんや親御さんにも子どもたちの雰囲気の変化が伝わったようで、そんな声も聞けました。



ーすごい変化ですね。



 成長は自分自身にも感じることがあります。始めたばかりの時は、自分の知識を伝えることにこだわっていたり、選手の結果を出してあげなければいけないと思ってしまっていました。


 それが強いばっかりに、選手がうまくいかない時に、自分で自分を苦しめてしまっていたのかなと。

 それを「選手の幸せを願ってコーチングをする」ようになってからは、選手の結果以外の「どんな選手になりたいか」などいろんなことを訊けるようになりました。

 

 だからこそ、「こんな風になりたい」とか「こんなことで悩んでいるんですけど」と選手から自分の気持ちを素直に話をしてもらう機会も増えましたし、それがたまらなく嬉しいです。自分自身の成長が選手の成長にもつながるんだなと感じています。



 ー聞いているだけで選手が輝いているイメージが湧いてきますね。そんな荒木さんの今後の目標を聞かせてください。


 私が関わることで毎日楽しく、幸せだなと思える選手を増やせたら嬉しいですね。


 あとは自分の高校時代に支えてもらった経験があるからもあるのかな。チームをみたいという気持ちはありますね。なのでチームへのコーチングの勉強は早くしたいなと思います。

 

 野望は「九州のメンタルコーチといえばあの人!」というメンタルコーチ。まだまだ九州にはそういう人たちが少ないこともあるので。そのために一歩一歩成長していきたいです。

荒木望美-Araki Nozomi | スポーツメンタルコーチ


「毎日楽しく、幸せな選手を増やす」
長崎を中心にスポーツメンタルコーチとして活動中。


ジュニアからプロ選手まで幅広い選手のメンタルをサポートしている。


自身の経験競技はバレー、マラソン、ウェイトリフティング。

(編集/橋本)