プロスポーツメンタルコーチの増田良子です。隔月で「親」についてのコンテンツを配信させていただいています。

 今回は「家族だからこそ必要な言葉」についてです。お子さんにも読んでいただきたい内容です。よろしくお願いいたします。

                                                                           
     
■毎日繰り返される「生活」


 家族と暮らしていると、朝起きてから次の日の朝起きるまで、当たり前のように毎日が過ぎていきます。家事担当している人は、朝ごはんを作り、子どもが必要ならお弁当を作り、さらに場合によってはお昼ご飯も作り、夜ご飯を作り…合間に掃除機をかけ、洗濯をします。
 そして食材が足りなければ買い物にも行きます。洗濯物は乾いたら取り込んで畳んで片づけます。物によってはアイロンをかけます。家事労働は月額16万円分に値するという説もあります。ちょっと話が逸れました(笑)

 仕事に出かける人は、時間に間に合うように起床し、支度して、人によっては大混雑した電車に揺られて毎日勤務先に通います。あるいは車で移動をしていてあちこちで起こる渋滞と毎日向き合っている人もいるかもしれません。好きな仕事をできている人もいれば、生活のために働いている人もいるでしょう。働く理由は違えども、仕事をしている人は働きます。最近では在宅勤務できる職業も増えていますね。
 学校に通う子どもたちは、朝起きて朝ごはんを食べて登校し、学校生活を送り、帰宅します。小学生なら帰ってからお友達と遊ぶのかもしれないし、宿題を頑張るのかもしれませんね。中高生は部活動をしてから帰ってくる子もいます。
 なんてことのない「日常」の風景です。

■当たり前な日常について見方を変える


 この当たり前に流れていく日常ですが、実は「自分一人で生きているわけではないよ」ってことがたくさんあります。
 朝ごはんを作り、お弁当を作り、昼ご飯を作り、夕飯を作り、家族が食べる。この中にも当たり前でないことがたくさんあります。
 例えば、朝昼晩、ご飯を作れる環境があること、これは実は当たり前ではありません。当然、それを食べることが出来る環境があることも当たり前ではありません。世界には70億人ほどのひとがいて、そのうちの8億4千万人以上の人が満足な食事をとることができていなくて困っているそうです。それだけの食材があること、それだけの料理を作る環境があること、それだけの食事をとれていること、たったこれだけのことでも3つも当たり前ではないことが見つかりました。


 食材を手に入れられるのは、それを購入出来るだけの収入があるから。もっと遡ると食材を手に入れられるのは、新鮮な食材を各店舗に提供してくれる農家さんや酪農家さん、漁師さんや養豚、養鶏、養牛家のみなさん、その他たくさんの人の手を借りているわけです。
 そしてそれを購入出来るだけの収入があるってことは、仕事ができる環境があるからなんです。お金がすべてではないけれど、お金がないと買えないものがたくさんあります。例えば私は、イチゴもキウイも近隣の鮮度が良くて安い八百屋さんで買うようにしています(笑)。一番近いスーパーは少々お値段高くてイチゴもキウイも買えません。
 ここまでにたくさんの当たり前でない日常が見えました。さて、それでは家庭の中に戻ってみたいと思います。
 朝起きました。はい、ここでまず、当たり前でないことが起こっています。毎朝健康に起きられることが当たり前ではないです。私の周りにも様々な病気で苦しんでいる人がいます。朝起きて「ああ、今日も生きてた」って思うって話を聞いています。
 次に朝ごはんを食べました。ここにも当たり前ではないことが起こっています。作ってくれた家族がいたから朝ごはんがあったわけだし、材料を買うための資金を調達してくれる(働いてくれる)家族がいるから作れるし食べられるのです。
 仕事に行きました。ああなんということでしょう。ここにも当たり前でないことがあります。交通機関が動いていたから行けた、車があったから行けた、自分の足でちゃんと歩けるから行けた、というわけです。そもそも、仕事がある、それすら当たり前ではありません。
 当たり前に見過ごしている日常の様々なことが、「当たり前」ではないのです。「有り難い」ことなのです。

■家族だからこそ言いたい言葉


 こんな当たり前に感じている日常の中で、家族間でどれくらい「当たり前ではないこと」があると思いますか。すごく小さいことでも「有り難いこと」がたくさんあります。
 たとえば「これあっちに置いてくれる?」ってサラッと頼んでやってもらうとか、「醤油取ってー」って取ってもらうとか。いやいや、洗濯物、畳んでくれていることとか。食べ終わった食器を台所に持ってきてくれることとか、そもそも洗い物してくれてることとか。おっと、作ったものをちゃんと全部食べてくれることだって当たり前ではないですよね。そんな感じで家庭の中で当たり前みたいになっていて当たり前ではないことが実はたくさんあります。
 だからこそ、ちゃんと言ってほしいのが
   「ありがとう」   です。

 家庭の中でこれだけ「当たり前」ではないことがあるのですから、その都度ちゃんと「ありがとう」をサラッと口に出して欲しいなって思います。
「ありがとう」という言葉には魔法のような力があり、「ありがとう」と言うと、幸せホルモンが脳内に分泌され、幸せな気持ちになります。言われた方も自分を認められたことで幸せな気持ちになり、win-winです。家庭内でwin-winが循環すると、それはもう本当に幸せな家庭になります。初めは照れ臭いかもしれませんが、小さいことでも「ありがとう」って言ってみてください。「なに、どうしたの気持ち悪い」なんて言われたとしても、「ありがとう」と言われた本人は嬉しかったはずです。自分が当たり前だと思ってやったことが、感謝されたわけですから。「ありがとう」にはお互いを幸せにする、大きな力があるのです。

 今一度、家庭内にある「当たり前と思っていたけど有り難いこと」に目を向けて、「ありがとう」を伝えてくださいね。家族みんなが幸せになれます。

■ワーク


当たり前だと思っていた家族間の生活行動の中で「ありがとう」って思えることを5個以上書き出してみてください。






増田良子(ますだりょうこ)
一般社団法人スポーツメンタルコーチ協会公認プロスポーツメンタルコーチ。
主に、アスリートの子どもを持つ保護者や、子育てに奮闘中のお母さんへのコーチングを行っています。「ママの心を軽くするランチ会」を月に1度開催。オンラインサロンspaceでもママ友会を開催しています。