こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。

【メンタルフード】

 人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。


 さて、今回で10回目になりました。
これまで紹介したメンタルフードの中に、試してみよう♪と思えるものはありましたでしょうか?1つでもメンタルを整えるヒントをお伝えできていたら嬉しいです。

 秋分を過ぎて日の入りが早くなり、冬に向かっているのを実感します。これから気温がさらに下がり、日の出も遅くなった朝は起きづらくなってきますね。今回は、朝起きれなくて時間がなくても作れる簡単朝ごはんにもなるし、小腹が空いた時の間食にもなるメンタルフードを紹介します。


【栄養素とメンタル】


 皆さんは“メンタルと関係するミネラル”と聞いてどの栄養素が思いつきますか?
ヒントは、最近は「骨を作るために大切な栄養素」として紹介される機会が増えてきたミネラルです。もちろん、カルシウムではありません。


 正解は、マグネシウムです。最近は、日本でも大切なミネラルの1つと認識されてきており、サプリメントで積極的に摂取する方もいます。

 

【マグネシウム】


 マグネシウムは、私たちの体のすべての細胞や骨に広く分布しており、50~60%は骨に、1%は血液中に存在します。そして300種以上の酵素反応に関わる必須ミネラルです。筋肉や神経反応、心拍、免疫機能、骨や歯の健康、血糖値や血圧、さらに炭水化物・脂質・アミノ酸の代謝など多くの生体反応の正常化に関係しています。そのため、身体を動かすだけでなく、誰かと話をしたり、本を読むといったあらゆる生命活動に欠かせないミネラルですし、体を酷使するアスリートの世界では20年以上前から重要視されている栄養素の一つです。


 ミネラルはお互いにバランスよくあることでスムーズに働く栄養素であり、マグネシウムは特にカルシウムとの摂取バランスがとても重要です。現代の日本人は、土壌のミネラルが少ないことや水が軟水であることに加えて、食生活の変化により慢性的なマグネシウム不足であると言われています。

【マグネシウムとメンタル】


 多くの生体反応に関わるマグネシウムですが、メンタルと関わる脳機能では精神疾患や片頭痛との関係が報告されています。脳の神経伝達作用に深く関わっているため、マグネシウムが欠乏すると理性のない暴力のような異常行動やうつの原因になると考えられています。また、脳内のセロトニン欠乏にもつながるため、広範囲にわたる心や感情に関わるミネラルの一つといわれています。
 さらに、マグネシウムはストレスから身体を守る働きがあり、ストレスによって消費されます。そのため、欠乏するとストレスに対する感受性を高めることにも繋がります。

【オートミール】
 マグネシウムは大豆、魚介類、ナッツなどに多く含まれます。その中でも気軽に摂りやすい食材の1つがオートミールです。
 オートミールは、オーツ麦を脱穀した後、調理しやすく加工した全粒穀物です。「oats(オーツ麦)」と「meal(食事)」という単語を合わせて、「オートミール」と呼ばれるようになったそうです。麦でも小麦と異なりグルテンをもたないことも特徴です。水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富なうえに、たんぱく質、ビタミンB群に加えて、鉄分やマグネシウムなどミネラルを多種含んでいます。
今回は、このオートミールを使ったメンタルフードです。

【復習にもなるメンタルグラノーラ】
 今回は、マグネシウムを含む食材としてオートミールを使いますが、実は、今まで紹介したメンタルフードにもマグネシウムを含む食材を取り上げていました。トッピングは何でも良いのですが、今回はメンタル食材のココアパウダー、バナナ、クルミをトッピングとして使っていますので、その食材のことも思い出しながら食べてみてください。

〈材料〉
・オートミール 1/2カップ(30g)
・お好みのミルク(冷たくても温かくてもよい) 100mL
・ココアパウダー 大さじ1
・バナナ 1/2本
・クルミ 少々


〈作り方〉
1. 器にオートミールとミルクを入れて混ぜる
2.バナナとクルミを刻む
3.1に、2とココアパウダーを乗せてできあがり

写真は、分かりやすいようにミルクを別にしてあります。

秋の果物のリンゴもプラスしました。

・オートミールは、粉砕タイプの方が早く柔らかくなり食べやすいです。
・かなりとろみがあるので、さらっとしている方が食べやすい方はミルクの量を多めにしてください。海外では、水とミルクと一緒に鍋で温めて、お粥状にして食べる食べ方もあります。
・朝食にグラノーラを食べる方は、オートミールをプラスするだけで今までの朝食を変えることなくマグネシウムをUPできます。
 

 朝は、余裕をもって起きるに越したことはないですが、寝坊してしまう時もあると思います。そんな時は、オートミールとミルクを混ぜておいて、着替えなどの準備をして、出かけるまでの残りの時間で食べると忙しい時間を有効利用できます。また、寝る前にミルクに浸しておくと、すぐに食べられますよ。


 一見、量が少ないように見えますが、食物繊維も豊富でお腹も膨れるので食欲が抑えられない時などには、血糖値も上げにくく満足感も得られるのでおすすめです。

 今回はグラノーラ風の食べ方を紹介しましたが、クッキー、マフィン、パンケーキを作る時に混ぜていただいても美味しくいただけます。是非、試してみてください。

メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)