こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。

【メンタルフード】

 人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。
 体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。

 12月ということでコンテンツ配信の1年を振り返ってみると、まずは12か月のメンタルフード計画を立てるところから始まりました。体を整える食事なので楽しく食べて体に入れてほしいという思いもあり、「メンタルのために」という義務感だけではなく、季節感や食べる楽しみを持てるかな、この順番で紹介すると理解しやすいかな等と考えながら決めていきました。とてもワクワクする作業でした。その後、変更修正をしながら、投稿していただいた作レポを励みにして、無事12回目を迎えられました。ありがとうございます。
 これまで配信した1つずつを並べると実はメンタルフードは日本人になじみのあるものだとわかります。今回は1年のまとめのメンタルフードです。 

【心と体】
 人の心と体は密に繋がっていますが、主にメンタルと関係している部位は、腸内環境、自律神経、脳で、神経伝達も含みます。神経伝達物質の中で関係しているのがセロトニンです。 


 脳と腸は離れていますが、脳腸相関と言われるように繋がっており、脳から命令が出されるとともに腸からも情報が脳に伝えられて情報を共有しています。腸内環境が良いと十分な量のセロトニンの元が脳へ送られるため、メンタルの安定につながりますが、腸内環境が悪いとセロトニン不足でイライラや不安感につながります。 


 自律神経は、心と身体を活発にする交感神経と休ませる副交感神経の2つの神経から成り立っていて、この2つの神経がバランスのとれた状態で働いているときに心身は健康に保たれています。このバランスを整えるところにもセロトニンは関係しています。 


 脳の約50~60%を占める脂質は神経組織を作る材料でもあり、脂質の中でもオメガ3系脂肪酸の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く存在していて、欠乏した状態では不安定な情動を招きやすいと考えられています。 

 

【体と食事】
 こういった心と繋がる体を食事から整える方法としてメンタルフードを紹介してきました。
 腸内環境を整えるには、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。その善玉菌を増やすためには、食物繊維を含む食材、発酵食品、オリゴ糖を含む食材を摂るとよいといわれています。腸内では、善玉菌と悪玉菌がそれぞれの菌を増やすために闘っていて、食事のとり方などでその割合は変動します。 


 セロトニンは、腸内環境を整える以外にも一定のリズムを刻むリズム運動でも増やすことが可能と言われています。食事であればしっかりと「噛む」ことで効果的にセロトニン分泌を促すことができます。 


 脳や神経組織に多く分布するオメガ3系脂肪酸は、植物油、魚介類、ナッツ類などの一部に含まれています。特にDHAを多く含む食材は、魚介類の中でもサンマやサバなどの青魚に多く含まれています。また、神経伝達に関わる栄養素にはマグネシウムやグルタミン酸があり、マグネシウムはストレスから身体を守る働きもあります。  

 こうして並べてみるとわかるのですが、メンタルフードは日本の伝統的な食事、欧米化する以前の食事ですよね。昔の日本人は無意識にメンタルフードを食べていたんですね。
 

 

【まとめのメンタルフード】
 今回のメンタルフードは、1年間をギュッと詰め込んだメンタルピザです。おせち料理にも使う食材をピザで♪色んな食材を乗せることができるのでお好みのメンタル食材でアレンジも楽しんでください。それでは材料を見ていきましょう。

≪材料≫
・高野豆腐(板状のもの)
・バター又はオイル 少量
・チーズ 高野豆腐の数に合わせての量
・トッピング 

 マルゲリータ風:トマトソース(又は、トマト)、バジル
 和風-1:味噌、みりん、納豆、刻みネギ
 和風‐2:しらす(又はじゃこ)、海苔

・高野豆腐
 糖質生地のパンやピザは、顎の発達や歯並びの悪い子どもたちが増加している原因の一つと考えられているようにあまり噛まなくてものみ込めてしまいます。しかし、高野豆腐を生地に使うとしっかり噛まないとのみ込めないので必然的に噛む回数が増えます。また、豆腐を凍らせて作られているのでマグネシウムを含み、たんぱく質の一部は食物繊維に似た働きをするので腸内環境を整えることにも繋がります。 


・トマト
 トマトは、昆布同様にグルタミン酸を含む食材です。
・和風食材
 味噌、みりん、納豆は発酵食品です。発酵食品は、腸内環境を整える食材の1つです。
・しらすと海苔
 しらすはDHAを含み、海苔はマグネシウムを含む食材でどちらもメンタルに関係する栄養素を含んでいます。

今回はまとめのメンタルフードとして材料が多めですが、揃うトッピングから作ってみてください♪

【メンタルピザ】
 作り方は、フライパンを使ったものですが、お持ちの方はホットプレートを使うと一度にたくさん焼けて作りやすいです。

≪作り方≫
1.高野豆腐に水を吸収させる
(後で絞るので、高野豆腐が吸いきれず少し余るくらいたっぷりの水を吸収させましょう)
2.トッピングの準備をする 
 ・味噌とみりんを1:1の量で混ぜ合わせて和風ソースを作る
 ・刻みネギと納豆を軽くまぜ合わせる
3.1の高野豆腐を握って不要な水をしぼり切る
4.包丁で3の高野豆腐の厚さを半分にする
5.フライパンにバター又はオイルを薄くひいて火をつける 

 (バター又はオイルは1回目のみ使用) 

6.4の高野豆腐を5のフライパンにいれて、片面に焼き色をつける
7.6の高野豆腐で焼き色を付けた方に、トマトソース又は2で混ぜた和風ソースのどちらかを塗る(和風-2はソース無し)
8.トマトソースの方にはバジル、和風ソースの方にはネギ納豆をのせる、ソース無しにはしらすと海苔をのせる
9.8の上にチーズを乗せる
10.9の高野豆腐をフライパンに並べてフタをして弱火にかける
11.チーズがとけたら出来上がり 

 

※火加減
私は終始弱火で作っています。ご家庭の火加減と焼き加減を把握した後に作りやすい火加減を見つけてください。
※トマトソース
ケチャップは高野豆腐だと美味しくなかったのでおすすめしません。
※バター又はオイル
必要ない方は省いてください。1回目だけくっつきやすかったので使用しています。


 さて、12のメンタルフードのうち、どれが一番取り入れやすいものだったでしょうか?コメント欄に皆さんの1番を教えていただけると嬉しいです。そこから発展して次に繋がればいいなとも思います。

 そして1番のメンタルフードだけを取り入れてほしいです。メンタルを整える方はベースにパフォーマンス、健康、疲労回復などの他の面からも食事に取り組んでいる場合があります。あれもこれもだと自分に合っているかの判断が難しく、習慣になる前にフェイドアウトしてしまう可能性も高いです。別の目的で取り入れたものが結果的にメンタルフードだったということも多くあります。紹介したメンタルフードを私自身も実践していますが時間をかけて取り入れてきました。体を整えるには継続を大切にしましょう♪


メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)