10月10日はメンタルヘルスデーということでイベントを開催したいと思っています。今回のテーマは「スポーツ哲学」
心理学は現在「科学」として認識されてますが、その土台には間違いなく「哲学」があります。
哲学が心理学の礎になった理由
• 心の探求は哲学から始まった
「人間の心とは何か?」「意識とは?」「自由意志はあるのか?」といった問いは、古代ギリシアの哲学者プラトンやアリストテレスからすでに議論されていました。
• 哲学から科学への分岐
19世紀に至るまで「心の研究」は哲学の一部でした。しかしヴィルヘルム・ヴントが実験心理学を確立し、観察や実験で心を研究するようになったときに、心理学は哲学から独立した「学問」として歩み始めました。
• 今でも境界は曖昧
「意識」「自己」「価値」「意味」といったテーマは、科学的なデータだけでは説明しきれず、哲学的議論が不可欠です。だから心理学者の多くも哲学的な素養を持っています。
例えるなら
心理学は「木」だとすると、哲学は「根っこ」にあたります。根っこがあるから木は育ち、枝葉を広げていける。心理学が科学的に発展した今も、その根は哲学の土壌にしっかりとつながっています。
メンタルに携わる人(コーチ・カウンセラー・トレーナーなど)は「技術」や「知識」だけではなく、人の存在そのものや価値観に触れることになるからこそ哲学を学ぶことはとても大事になります。
1. 哲学は「人間とは何か」を問う学問
心理学が「心の仕組み」を科学的に説明しようとするのに対して、哲学は「人はなぜ生きるのか」「幸せとは何か」「善悪はどう決まるのか」といった根源的な問いに向き合います。
メンタルの支援をする場面では、クライアントが抱える悩みが単なる不安やストレスではなく「生きる意味」や「価値観」に結びついていることが多いです。そこで哲学の知識や思考法が役立ちます。
2. 哲学は「問い続ける姿勢」を育てる
メンタルに関わる人が一方的に「正解」を押しつけてしまうと、相手はますます苦しくなります。
哲学的な態度は「どの価値観が絶対正しいわけではない」「問いを立てて一緒に考える」ことを重視します。これはまさにコーチングやカウンセリングの土台になる姿勢です。
3. 哲学と心理学の架け橋になる分野
• 実存哲学 → 実存心理学(サルトルやハイデガーの思想は、フランクルやロジャーズに影響を与えました)
• ストア哲学 → 認知行動療法(「出来事ではなく捉え方が人を苦しめる」という発想はストア派から来ています)
• 禅や仏教哲学 → マインドフルネス(今ここへの気づきは、心理療法の主要アプローチになっています)
ご縁ありまして、スポーツ哲学者の佐藤さんに講演をお願いすることができました。この機会に是非ともご参加ください。
1、スポーツ哲学とは?
2、勝とうとして、勝とうとしない矛盾の戦略とは?
3、ディスカッション
4、質疑応答
講師
サトウ ユウヤ SATO Yuya
佐藤 雄哉
所属体育学部 武道学科
スポーツ・システム研究科 スポーツ・システム専攻(修士課程)
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