こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。
【メンタルフード】
人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。
梅雨に入りジメジメしていますね。雨は農作物の成長や夏の水不足解消に必要とはわかっているのですが、どんよりした天気はネガティブな感情になりがちです。しかし、道路脇で活き活きと咲いている紫陽花を見ていると元気になりますし、この季節だから見ることができる花だと思うと梅雨もいいかなと思ってしまう瞬間です。
湿気が高く気温が上昇すると、エアコンを使用する機会も増えてきますね。これからの季節において体調管理をするうえでエアコンは欠かせないアイテムですが、体調を崩す人も少なくありません。特に梅雨は体調不良からメンタルが不安定になりやすい季節です。心と体が繋がっている、というのを実感する季節でもあります。
今回はエアコンの季節を上手に乗り切るためのメンタルフードを紹介します。
【梅雨と自律神経】
梅雨は、梅雨前線や低気圧の影響で曇りや雨の天候が多くなります。この気圧の変化が自律神経を乱す原因になり、それによってメンタルも不安定になりやすくなります。
自律神経とは、呼吸や食べた物の消化、体温調整といった生きていくうえで大切な機能を調節しており、意思とは無関係に24時間働き続けている神経です。心と身体を活発にする交感神経と休ませる副交感神経の2つの神経から成り立っています。この2つの神経は、同じくらいの割合でバランスのとれた状態で働いているときに心身は健康に保たれています。このバランスを崩すものの一つに気候の変化があります。身体の機能を調節する神経が乱れるので、不安や緊張感が高まったり、寝つきが悪い、だるいなどの不調が現れます。
【エアコンと自律神経】
梅雨は、湿気とともに気温も上昇し必然的にエアコンを使用する機会も増えます。このエアコンの使用により屋外と屋内の温度差やエアコンのきいた「ちょっと肌寒い」という状態で過ごす時間が長時間続いたり、毎日過ごすことで自律神経に影響を与えます。
暑いと副交感神経が働いて血管を拡張させ体内の熱を外に出そうとしますが、エアコンで体が冷えると体温を逃がさないように交感神経が働いて血管を収縮させます。そのため、屋外とエアコンのきいた場所の間をくりかえし出入りしていると、自律神経が対応できずに混乱しはじめます。また、エアコンの効いた中で長時間過ごすことで血流が悪化し、むくみや冷えなどの症状が生じます。冷えによって胃腸の働きも弱めるため、食欲の低下や食事からの栄養素がうまく吸収されなかったり、血流の低下により疲労回復が遅れるなど全身症状につながります。こうした自律神経の乱れと冷えによって何となくだるいと感じる身体の不調は、メンタルや睡眠にも影響してしまいます。
エアコンの温度や風向きを調節できる場合は良いのですが、勝手に設定できない場所もあります。そうした場合は、膝掛けや薄手の羽織るものなど自分なりの自衛策が必要です。夏用の腹巻も市販されていますので便利なものは上手に利用しましょう。また、冷えなどによる不調を予防するには、「体の芯(内臓)を冷やさないこと」が大切です。その意味で食べ物や飲み物は、重要な意味をもっています。
皆さんは、「白湯(さゆ)」を飲んだことはあるでしょうか? お湯、だとわかりやすいでしょうか。
「白湯」とは、広辞苑で調べると「何も混ぜていない湯。」とあります。お湯の沸かし方や湯の温度などは特に記載はありません。インドの伝統医療アーユルヴェーダでは、白湯は身体を浄化する健康法の一つとされています。
白湯は、内臓(胃腸)を温めることで、消化能力を高めたり、血流をよくし、疲労物質などの老廃物の排出にもつながります。また、冷えた体が温まることでリラックスにもつながります。
暑い時期に温かい飲み物なんて…と思われる方もいると思いますが、梅雨から夏にかけてのこの時期だからこそ意識して摂ってほしい飲み物です。白湯で自律神経の乱れをリセットするサポートをし、自律神経の働きを整えてメンタルの安定につなげましょう。
【カップ1杯のメンタルドリンク】
今回のメンタルドリンクは自律神経をサポートする1日カップ1杯の白湯です。アーユルヴェーダにおける目的をもって摂る白湯の場合には厳密な作り方があるようですが、今回は特に決まりはありません。
飲むタイミングは、起床時がおすすめです。寝ている間に汗をかいて身体が乾燥しているので潤すことや、胃腸を温めて朝食に向けて準備にもなります。朝に時間の余裕がない方は夜に取り入れてみましょう。
〈材料〉
・水
(白湯のみが苦手な方は、お好みのハーブなど)
〈作り方〉
1.水を沸騰させる
2.カップに注ぐ (お好みのハーブなどを入れたい方は一緒に)
3.飲める温度になったら少しずつ飲む
※少しずつ飲むというのは、
「ゴクゴクゴク。」ではなく「ゴクン。ゴクン。ゴクン。」といった感じでやさしく胃に届けるイメージで飲みましょう。
写真はレモンの薄切りを入れたものです。香りがついたら取り出して白湯だけ飲みます。香りが好きなので気分転換に入れて楽しんでいます。
※白湯が苦手な方や沸かすのが面倒に感じる方は、常温の水を飲むことから始めてみてください。それだけでも違ってきますよ。
暑くなるにつれて、飲み物の温度をタイミングによって上手に使い分けることが体調管理においても大切です。また、夏バテを防ぐのは夏の過ごし方以上に、夏に入る前に体調を崩さないことが大事だとも感じています。
1日コップ1杯の白湯でメンタルも身体も元気にエアコンの季節を乗り切りましょう。
メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)