日頃のストレスを抱えながらも生活する現代人にとってどのように気持ちを保ち、リフレッシュするのかは重要な課題です。多くある方法の中でも脳や精神に良い影響を及ぼし、医療観点からも注目されているアロマテラピー。

心地よい香りで心地よく身も体もリラックスできます。特に日々厳しい練習に耐え、試合では凄まじい緊張やストレスに晒されるアスリートの間でも取り入れる機会が増えてきました。

香りはもちろんのこと、効能・効果もアロマオイルによってさまざまで、選ぶだけでも気持ちが弾んでくるものです。各アロマオイルによっておすすめの使い方も少しずつ異なります。それぞれに歴史やアロマオイルとして使用されるようになったストーリーなどがあります。知れば知るほど興味深く、アロマテラピーに魅了される人も多いのです。

今回は、数あるアロマオイルの中でも受けたダメージを癒し心身ともに修復することで注目される”フランキンセンス”についてお話していきます。

目次

”フランスでは保険適用”のアロマテラピー
”聖書にも登場”する歴史深いフランキンセンス
”アンチエイジング効果”で美意識向上
傷だけでなく”メンタルまで修復”する香り

”フランスでは保険適用”のアロマテラピー

一般的にリラクゼーションとして知られるアロマ。フランスでは”代替医療”としてメディカルアロマが取り入れられています。効能効果から”漢方”と同じような位置付けで扱われていて一部のアロマオイルは、保険適用も受けられるほど医療体制も整っています。

実証されているのは、鎮静・鎮痛・抗菌・抗ウイルス・抗炎症作用や血行の促進・自律神経の安定・筋肉の弛緩作用。また近年注目される感染症対策としてもオススメです。ウイルスには”エンベローブ”という油脂性の幕がついていますが、アロマオイルはこのエンベローブ野中に入り込むことができるため、抗菌や抗ウイルス作用があります。感染症対策としても非常に有効なアロマオイル。

また、アスリートにとって最も重要となるメンタルを保つ上で必要な”集中力を高める”こともできるのです。どのスポーツでもメンタルがパフォーマンスに影響を与え、結果を大きく左右します。忙しい日々のなかにも練習の一環として取り入れれば、リラックス効果もあるため心身ともに解きほぐされ、気持ちにも余裕が持てるのです。


”聖書にも登場”する歴史深いフランキンセンス

アロマオイルのなかでも、最も歴史が深いフランキンセンス。古代エジプト、バビロニアやヘブライなど様々な文明において神仏への捧げものとして使用されて来ました。カンラン科に属するフランキンセンスは、高さ3〜7mの低い種類の木。白または薄紅色の花を咲かせます。

オマーンは産地として挙げられる国として有名です。樹皮に傷がつくと蓄えられている樹液が出てきます。その樹液を水蒸気蒸留させたものがアロマセラピーで使用されるフランキンセンスの精油(アロマオイル)なのです。樹木から採れるため、スパイシーでありながら奥深いウッディー調の香りが特徴。別名「若返りのオイル」とも称され、女性に嬉しい”アンチエイジング効果”もあります。

世界三代美女のクレオパトラや楊貴妃もパックとして顔につけるなど愛用したと伝えられています。香料の中で最も歴史が古く、現在でも香木を炊いた煙が人々の願いを神に届ける神聖な香りとされているフランキンセンス。

多くの寺院や教会で使用されているため、一度は嗅いだことがあるポピュラーな香りです。使用方法としては、芳香浴や沐浴、ボディやハンド、ヘアケアクリームとしてマッサージしたり、コロンやインテリアフレグランスとしてなど様々な使い方が可能です。

一番シンプルな使用方法は、マグカップや洗面器にお湯を入れ、フランキンセンスを1〜2滴垂らして顔を近づけ湯気を吸うようにゆっくり呼吸します。

フランキンセンスの名前の由来は、中世のフランス語で”franc=本物の”、”incense=香り”を意味する言葉が語源とされています。また中世フランス語の”純粋”の意味とラテン語の”燻す”という言葉が合わさったという説もあります。

別名として”乳香”や”オリバナム”と称されることもあり、古くから神仏への笹揚げ物の薫香として焚かれてきたフランキンセンス。イエス・キリストが誕生した際にも祝いの品として、黄金やミルラ(没薬)と共に捧げられたと伝えられています。

新約聖書にも”フランキンセンス”という言葉が22回も記されていて、黄金と並べられるほど古くからその価値が評価されてきたのです。


”アンチエイジング効果”で美意識向上

イライラを感じてしまった時や心が乱れているときに呼吸を落ち着け、ゆったりできる香りでヨガや瞑想時に向いているのもフランキンセンス。スピリットの世界に繋がる神秘的な香りで、日々感じる心労や過去に経験した辛い感情などから解放させてくれたり自己を高めるサポートをしてくれます。

別名「若返りのオイル」とも称され、美意識が高い人に嬉しい”アンチエイジング効果”もあります。シワやたるみの原因となる乾燥や肌荒れなどの皮膚トラブルを解消し、肌を活性化する効果を持ち合わせています。

深く呼吸できるリラックス効果もある香りのため、胸部の緊張を取り除く効果もあります。呼吸器系に対して喘息や気管支炎などの不調が改善や免疫力の向上に役立ちます。

また神経系にも鎮静作用を用い、緩やかに強壮できるという優れた効果があります。リウマチ、腹痛、頭痛、月経痛など様々な痛みを抱える人やうつ病に苦しむ人におすすめできるのもフランキンセンス。

ただし妊娠初期の人は注意が必要です。水蒸気蒸留やマッサージは避け、芳香浴なら楽しんでも大丈夫です。


傷だけでなく”メンタルまで修復”する香り

自信を失った時に特におすすめなのがフランキンセンス。傷つけたところから白い樹液が出るのがゴム系統の木の特徴で、傷を癒して細胞の再生を手助けする作用があるのです。そのため怪我、あせもや虫刺されの痕をなど身体を綺麗に修復するのです。

さらに心にも良い働きをすることが分かっています。心の緊張を解きほぐし、精神を高揚させ心を鎮めるよう働きます。気持ちがスッキリせずモヤモヤしている時、気持ちの上下が激しく揺れ動き落ち着けない時などにに合う香りです。

イライラ、うつ、傷心、不安感はもちろん、厳しい練習を重ね試合などの大舞台でパフォーマンスを発揮するために過度な緊張感を感じるアスリートの精神的ケアなどにもピッタリな香りのフランキンセンス。”もっと自信を持ちたい”と感じるアスリートにこそオススメしたい香りなのです。

今回は、メンタルに関連するスポーツアロマのなかでもフランキンセンスについてお話しました。身体的にも心理的にも傷や受けたダメージを修復する効果を持つアロマオイル。アスリートにとって常に安定したメンタルを保てる人は、ごくわずかです。

多くの人が常日頃から何らかの傷や過去に経験したダメージを抱えてプレーしています。傷やダメージを癒し、さらに強いメンタルへ導くことを可能にするのがフランキンセンスの香り。”今ひとつ自信が持てない”という人に是非とも試していただきたいです。

今後もスポーツアロマという分野があることを知ってもらえたらと思います。