こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。

【メンタルフード】

人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。

体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。

体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。


 この週末が4連休であるというニュースを目にすると、今年は日本でオリンピックが開催される年だったんだなと再認識します。まだ来年の開催も確実ではなく、何とも言えない気持ちです。来年には、世界が五輪開催できる状況にあることを願うばかりです。
 
 関東エリアでは海開きをしないと決めたところも多いようですが、海の日に海開きをした海水浴場もあり、いよいよ夏本番となりますね。これからの体調管理は暑さとの闘いにもなります。特に食事は、暑さによる疲労から食べることが面倒になったり、胃腸機能の低下から食欲不振にもなりやすいです。そんな時には、のど越しがよいものだと食べられる、という人も多く麺類を選ぶ機会が増えるのではないでしょうか。今回は、麺類にも合うメンタルフードを紹介します。

【脳と脂質】


 突然ですが、皆さんは「脂質」と聞いてどんなイメージを持っていますか?脂質は、身体に良くないものだと誤解されることも多いですが、三大栄養素の一つとされているように体にとって重要な栄養素です。脂質はエネルギー源であるだけでなく、体温維持や内臓を守るクッションの役目を担ったり、体の細胞を包む膜や性ホルモンの材料となります。メンタルと関係している脳に注目してみると、脳の約50-60%は脂質で、神経組織を作る材料でもあり、脳機能維持に重要な役目を担っています。

 脂質は、構成する脂肪酸の種類によって分類されます。脂肪酸には、体内で合成できる脂肪酸と合成できない脂肪酸があり、後者を必須脂肪酸と呼びます。必須脂肪酸にはオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸があり、体内で合成できないため食事から摂取する必要があります。このうち、脳や神経細胞に多く分布しているのが、オメガ3系脂肪酸の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)です。


【脳とオメガ3系脂肪酸】


 オメガ3系脂肪酸のDHAは,神経系組織や記憶と関係している海馬に多く存在しています。そのため、神経の情報伝達機能をスムーズにすることが知られており,記憶・学習などの脳機能に関する報告が多数あります。また、近年では若者のキレやすさや打たれ弱さ、不安状態の情動にかかわる精神的な機能との関係も注目されています。


 日本人の現代の食生活では、オメガ3系脂肪酸を摂取する機会が減少しており、オメガ3系脂肪酸の欠乏状態になりやすい状況にあります。オメガ3系脂肪酸の欠乏した状態では、ストレスに対する閾値が低下し,ストレスに対する適応障害やうつ症状、衝動的な暴力を誘発する原因となり得る不安定な情動を招くと考えられています。


【オメガ3系脂肪酸】


 オメガ3系脂肪酸を含む食材は、植物油、魚介類、ナッツ類などの一部と限られています。オメガ3系脂肪酸にはDHA以外に、アマニ油やエゴマ油、クルミなどの植物性食材に含まれているα-リノレン酸、DHAとともに魚介類に多く含まれているEPA(エコサペンタエン酸)があります。動物の場合は、餌から摂ったα‐リノレン酸をα‐リノレン酸→EPA→DHAに体内で変換されますが、人の場合は、DHAまで変換されるのは0.5%以下と低く、DHAの大半を直接食事から摂る必要があります。


 DHAを多く含む食材は、魚介類の中でもサンマやサバなどの青魚に多く含まれています。また、オメガ3系脂肪酸は酸化しやすいという特性があるため、お刺身で食べるのが一番良い摂取方法です。お刺身から摂れるDHA量を100%とすると、焼き物や煮物で約20%減少、揚げ物では約50%減少します。DHAを多く含むサバやイワシ、サンマは缶詰もあるので魚料理が苦手な場合は缶詰を活用することで摂ることができます。
 
今回はオメガ3系脂肪酸のDHAをとるメンタルフードを紹介します。

【乗せるだけのメンタル麺】


夏になると、暑さで食欲が落ちるのと同じように火を使う料理も作りたくなくなります。
今回はサバ缶を使って乗せるだけの簡単ぶっかけ麺を紹介します。

〈材料:1人分〉
・サバ缶(水煮) 1/2缶
・お好みの麺 1人分
・納豆 1パック
・トッピングする野菜

<作り方>
1.麺をゆでる
2.ゆでた麺を軽く水にくぐらせてお椀にいれる
3.トッピングする野菜を刻む
4.刻んだ野菜、納豆、サバ缶を麺の上にのせる
5.できあがり
(缶詰の塩味だけで足りない場合は、麺つゆを足してお召し上がりください。)

*トッピングする野菜
・生で食べられる野菜だと簡単で火を使わずに調理ができます。
・夏にはオクラ、長芋などねばねば食材がおすすめです。
・キムチは胃腸が弱っている時にはNGですが、食欲増進につながる方にはおすすめです。
 


今回のトッピングは、オクラ、みょうが、キムチです。中央にサバを乗せています。
みょうがは薬味とともに体を温める食材です。
納豆とキムチは発酵食品なのでメンタルにも免疫にも良い食材です。

・最近では、流水にさらすだけで食べられる麺もあるので、そういった麺を使用すると火を使わずに作ることができます。

・今回は麺にのせましたが、ご飯にのせても良いです。
・オメガ3系脂肪酸は酸化しやすいため、缶詰を開けた後は次の日には食べきりましょう。


 オメガ3系脂肪酸は、アスリートにとってはメンタルだけでなく、体内の炎症を抑えたり怪我をしにくい体作りのためにも必要な脂質であることが知られています。特に魚を食べる習慣のない国のアスリートはオメガ3系脂肪酸をサプリメントで摂っています。日本は、オメガ3系脂肪酸を食事として魚から取ることができる限られた国の一つなので、美味しく摂れることに感謝ですね。


 オメガ3系脂肪酸は脂質の1つです。ただプラスするのではなくオメガ3系脂肪酸を摂る代わりに他の脂質はその分減らすことも大切です。


オメガ3系脂肪酸を上手に取り入れて柔軟なメンタルを作りましょう。
メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)