こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。

【メンタルフード】

人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。

体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。

体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。


 雨が降る日や気温の高い日も増えて、そろそろ梅雨や夏の足音が聞こえ始めていますね。大変な数か月を乗り越えた身体やメンタルをリフレッシュしてこれからの季節に備えたいところです。



 さて、皆さんはリフレッシュしたいときに食べ物を選ぶとすると何を選びますか?私はどちらかというと食事系よりもスイーツ系を選ぶでしょうか。スイーツは見た目も可愛いものが多いので、視覚と味覚の両方で癒されてリフレッシュできます。


しかし、甘いスイーツは高カロリーで太りやすいものが多いことに加えて、最近では、砂糖(白砂糖などの精製糖)がメンタルを不安定に導くことや腸内環境を悪化させることも知られるようになってきました。そのため、スイーツでのリフレッシュやご褒美感を得ると同時に「食べてしまった」という罪悪感を持つ方も少なくありません。


実際に、選手の食事チェックをしていると、スイーツを食べてはいけないと言ってはいないのですが、自主的に食事写真から省く選手は少なからずいます。

 リフレッシュやご褒美と割り切って食べるのもいいですが、私は身体も喜ぶスイーツが食べたい、体調を整えながらリフレッシュできるスイーツがいいなと欲張ってしまいます。そこで今回は砂糖不使用のちょっとしたメンタルスイーツを紹介します。



【腸内環境とメンタル】


 腸内環境とメンタルの関係についてはこれまでの配信にもあるので簡単におさらいしますと、脳腸相関と言われるように腸内環境は脳ともつながっており、メンタルにも影響します。腸内環境が良いとメンタルの安定につながりますが、腸内環境が悪いとイライラや不安感につながります。


 腸内では、善玉菌と悪玉菌がそれぞれの菌を増やすために闘っていて、食事のとり方などでその割合は変動します。腸内環境を良くするには、善玉菌が占める割合を増やすことが重要で、そのためには発酵食品、食物繊維を含む食材、オリゴ糖を含む食材を摂るとよいといわれています。中でも、食物繊維は善玉菌の働きを活性化し悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。


【食物繊維】

 栄養素の定義にはあてはまらないものの、健康に良いとされる食品中の成分を「機能性成分」といいます。その代表的なものが食物繊維で、“第6の栄養素”とも呼ばれています。


 食物繊維は消化吸収されずエネルギーにならないため、「食べ物のカス」と呼ばれた時代もあったようです。生活習慣病の予防や有害物質を体外へ排出、油や糖分の吸収を妨げたり、便秘の改善などに役立つことが分かり始めてからは積極的に摂取するようにといわれるようになりました。


【水溶性と不溶性】


 食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は水に溶けやすく便を出しやすくする性質があり、海藻類、果物、ねばねば食材に多く含まれています。

 不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸の中で水分を吸収して膨らみ腸の蠕動運動を刺激する性質があり、きのこや根菜類、一般的な野菜の茎の部分に含まれています。そして、食材の中にはこの水溶性と不溶性の両方を併せ持つものがあり、その1つが寒天です。


【寒天】

 寒天とは、天草やオゴノリなど海藻の粘質物を煮固めたところてんを凍結乾燥させたものをいいます。寒天の成分はほとんどが食物繊維で残りは微量のミネラルになります。


 寒天には、粉末状、棒状、糸状のものがあります。粉末状寒天は、棒状や糸状と違ってふやかしたり裏ごしなどの工程が不要でそのまま水に溶いて使えるので、和菓子や精進料理など幅広く使われています。 


 食用のゼリー材料としては、ゼラチンなどと比べると透明感や弾力性はなく、仕上がりは歯切れがよくほろっと崩れるなめらかな食感になります。38℃以下で固まり始めるので常温でも固まるのが特徴です。


 今回はこの寒天を使ったメンタルスイーツを紹介します。


【砂糖不使用のちょっとしたメンタルスイーツ】


 寒天を使ったメンタルスイーツは、材料を混ぜて溶かして冷やすとできる寒天ゼリーです。通常、寒天ゼリーを作る時は、水やミルクなどの液体と砂糖と寒天を混ぜて溶かして冷やし固めます。

 しかし、今回は砂糖不使用スイーツなので、砂糖ではなく100%ジュースの甘さを利用して作ります。甘すぎることなくさっぱりしていてリフレッシュするにはぴったりです。


〈材料〉


・好きな果物の100%ジュース
・粉末寒天

〈作り方〉


1.寒天の外装に記載されている水分量に合わせてジュースを用意する
2.鍋にジュースと寒天を入れてかき混ぜ、火にかける
3.途中かき混ぜながら、沸騰して1~2分ほど寒天がしっかり溶けたら火を止める
 (寒天はしっかり溶かしきることがポイントです)

4.容器に入れて冷やす

 (ある程度冷ましてから冷蔵庫に入れましょう)

5.固まったら出来上がり


写真は100%オレンジジュースで作ったものです。



・柑橘系など酸が強い果物の場合、寒天が固まりにくくなる性質があるため、固まりますが食感は柔らかめになります。まとめて固めると切り分ける時に崩れやすいので、容器に小分けして作る方が食べやすいです。(柔らかさは2枚目の写真を参考にしてください)・粉末寒天には砂糖が入っている商品もありますので表示を確認して購入しましょう。


・寒天は食べ過ぎると便が緩くなる場合がありますので注意しましょう。



 夏にはプレーンヨーグルトに寒天ゼリーをのせた冷んやりスイーツもおすすめです。



 罪悪感なくスイーツを食べた幸福感とリフレッシュでセロトニンUPして、さらに腸内環境も整えることでメンタルの安定につながります。

砂糖不使用のちょっとしたメンタルスイーツでプチリフレッシュはいかがでしょうか。



メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)