今月のテーマ《In foucs》莫妄想、執着を手放すという概念について皆さんにお伝えしたいと思います。前回は「全部を手中に収めようとすれば、全部を失う」という概念について皆さんにお伝えしました。
そこで今回お伝えするのが「集中」になります。この集中については多くの選手が課題にしているものかと思います。「試合で集中できない・・・」「気が散ってしまう・・・」そして「いつも中途半端になってしまう・・・」そういったご相談も良くききます。
多くの人が集中に悩み、集中を高めたいと努力するものの効果的に集中力を手に入れることができない現実があります。その前に、まずは集中の定義を皆さんと確認にしたいと思います。
辞書にはこのように記載されています。
【集中】
→ 一か所に集めること。また、集まること。集注。
英語では何種類かある中でconcentrationとfocusという単語があります。またzoneも集中を表す言葉として使われたりします。どれも集中する意味があるのですが、私は特に注目したのがfocusです。この単語には「焦点を合わせる」意味も含まれます。
なぜならば、このfocusという単語から集中するために必要な概念を学べると思ったからです。実はラテン語で「炉、暖炉」を表す言葉でした。
それを「中心点」という意味で使いはじめたのがドイツの天文学者ケプラーです。ケプラーは天体の動きの中心点が太陽であるという説明に focus という言葉を用いました。しかし、なぜ彼がこのfocusを用いたのかはわかっていません。そこでグラハムの言葉を借りれば、ケプラーの言葉の意味も理解できなくもないかなと思います。
Concentrate all your thoughts upon the work at hand. The sun’s rays do not burn until brought to a focus.
現在行っている仕事に全神経を注ぎなさい。太陽光線も、焦点が合わないと発火させることはできない。
- Graham Bell (グラハム・ベル) -
(スコットランドの科学者、発明家、工学者 / 1847~1922)
こういった概念から私なりの集中の解釈を付け加えるとこうなります。それは、自分の行っている行動の中心を明確にするということです。先日のスポーツメンタル勉強会ではこんな問いかけを受講者の皆さんに行いました。