日本中が高梨さんにハグしたかった衝撃的な出来事が起きました。まさかのジャンプ後にスーツ規定違反。なぜ!?と思われましたが、その後報道から厳しい寒さと環境から想定以上に身体をキープするのが大変だったようです。

選手だけを責める事なく、コーチ陣も今回の出来事を重く受け止めていらっしゃいました。その中で全体4位。一本少ない中でこれだけの順位に押し上げたことは諦めない力、切り替えるメンタルが試された瞬間だったのかなと思います。

一方でスポーツメンタルコーチとしてはこんな気持ちになりました。それが、自分の見てる選手だったとしたらどんな言葉、メールを送ったらいいか…テレビを見ながらずっと考えてました。

すぐにメールは送れないでしょう。本人の元にも沢山メールが届いてると思います。何日か経って送ろうかなと思います。すぐにメールしたい気持ちを敢えて押さえて。

それくらい選手の気持ちが落ち着いてないと思われるタイミングでは無闇に連絡はしたくないなと思います。落ち着く時間が必要だと思うし、周りには選手を支えるコーチや仲間がいる。鳴り止まないスマホに届くメールにしたくないなと純粋に思ってしまいます。

もちろん、正解はないと思います。かつて、選手から試合後の敗戦時に電話が来た事がありました。結果は知っていたのですが、敢えて時間が必要だと思って連絡は控えてました。

負けた後に電話が来ても、何かを伝えるのではなく話を聞くことに徹します。カウンセリングなのかもしれないけど、誰にも言えない心の中を吐露することが今は大事だと思うからです。

そんなこんなで2時間話して元気になった選手。涙や鼻水の音が受話器から聞こえてきていたけど、2時間も経てば笑顔に変わるものです。もちろん、カウンセリングを学んでたから出来ることかもしれませんが…

今回の事例を通じて、spaceってつくづくいいなと思いました。事例を共有できたり、ケーススタディが出来るのはとても強みです。

またスポーツメンタルコーチだけでなく、指導者、栄養士、トレーナー、親御さんまで様々な人達がいる事で多様な意見を聞けます。立場が違えば意見が変わって当然です。そういった複合的な視野を手に入れる為にspaceは様々な人に入会してもらってます。

今回の高梨沙羅さんのケースにおいて、是非とも皆さんのご意見を頂けると嬉しいです。そして、どんな形で連絡するか?どんなタイミングで連絡するか?人の心を支える為にもこの事例は向き合いたいですね。