言わずと知れた名将•野村克也さん。ボヤキから繰り広げられる言葉のシャワーには宝がたくさん詰まっていました。

チームを勝利に導くだけでなく、本書を読む中で指導者としての心得、成長を促す心得、そして、勝ち方よりも負け方の心得を説いてくれています。

同じ名将と呼ばれる落合博満さんを引き合いに比較することは時期早々ですが、野村さんの教え子が指導者になっても活躍し続けているのをみると野村さんの凄さを実感します。(例、石井一久さん、高津臣吾さん、橋上秀樹さん、古田敦也さん、荒木大輔さん、新庄剛志さん、辻発彦さん、矢野耀大さん、など)

指導者として結果を出すのは当たり前で、さらにその先の未来ある人たちにも輝くために時として嫌われる事を話す覚悟を感じました。しかし、失敗した時は潔く謝る。謝ることが出来ない指導者は多いと思いますが、その点を最終章の1番最後に綴られているのは意味があるのかなと察します。

世の中に出回る「成功を目指す本」よりも、こういった「負け」や「諦め」、さらには「逃げる」「撤退」についてから学べる事が沢山あるんだと気付かされました。

以下、本書より気になった箇所を抜粋。

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「痛い目に遭わないと、人間は本当の意味で変わらない。だからこそ指導者は、ときにはあえて失敗させることも必要なのである。」

「財産を遺すよりも、業績を遺すよりも、人材を遺すことのほうがもっと尊い」

「目先の勝利に拘るあまり、肝心の『人』を殺してしまっては何にもならない」

「監督の最大の仕事のひとつは、危機管理であるからだ。」

「教えたいというきみたちの気持ちはよくわかる。だが、なるべく教えずに、まずは選手たちにやらせてみなさい」

「組織を伸ばそうとすれば、リーダー自らが成長するしかないのである」

「自分がミスをしたときには、その結果負けた時には、自分の非を素直に認め、反省した」

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