上質な香りが重宝され、店舗などでも多く利用されているアロマオイル。近年は、効能効果が実証され、美容はもちろん医療用としても適用されています。”ここ一番”と言う場面のパフォーマンスにメンタルが大きく影響するアスリートたちにとっても気持ちを安定させるために日頃のケアの一貫として取り入れるようになってきました。

それぞれのアロマオイルに歴史や香り効能効果などがあり、その時の自分の状況に合ったものを選ぶことも重要です。数あるなかでも、森林にいるような気分になれる香りが人気のティーツリー。ケガにも効果がありメンタルも整えるため、近年取り入れる人が増えてきました。今回は、ティーツリーについてお話します。

目次

”兵隊の常備薬として活用”、アボリジニの伝統オイル
”最高品質で製造”される人気オイル
”フィジカル、メンタルともに万能”オイル


”兵隊の常備薬として活用”、アボリジニの伝統オイル

フトモモ科メラレウカ属の常緑樹でオーストラリア東海岸に自生するティーツリー。現在は、インドネシアでも自生しています。日当たりの良い場所で自生する木で7〜8mの高さにまで成長します。松の葉のように細長い形状の葉。4〜6月に向けて白やピンク、紫色の筒状で小さな花を咲かせます。

花言葉は”強い味方”と”清楚”。清涼感があり、鼻が通るようなフレッシュでスッキリした香りです。コアラが好んで食べることで有名なユーカリに似ています。ラベンダーと並び、アロマオイルの中でも人気が高いティーツリー。別名”ティートリー”と呼ばれることも多く、産地の名も入り”オーストラリアン・ティーツリーオイル”、または”メラルーカオイル”とも呼ばれます。

英語では”TEA TREE”というスペルで日本語に訳すと”お茶の木”という意味。その歴史はとても深く、傷ついた動物たちが身体を癒していたのを見たオーストラリアの先住民アボリジニが葉を煎じてお茶のように飲み、様々な症状に利用したのが始まりでティーツリーの名前の由来です。

カヌーの材料として使用した他、傷薬や抗菌薬など人を癒やすために使われたことから”メディカルハーブ”とも呼ばれていました。大航海時代この地にたどり着いたイギリス人クック航海士が、アボリジニが使用されていたティーツリーに興味を感じ持ち帰り母国で研究。するとそれまで使用してきた石炭酸の13倍も強力な殺菌消毒力があることが解明されました。

抗菌、抗真菌、抗ウイルス、抗炎症、抗寄生虫、免疫刺激、放射線刺激、歯のホワイトニング作用など多くの効能効果が実証され、イギリス帝国軍は水虫薬として活用。第二次世界大戦中には、オーストラリア兵が常備薬として救急箱に持ち歩いていたと言われています。傷薬や抗菌薬、そして昆虫忌避剤としても重宝され、持ち歩いていれば心理的に落ち着くお守りのような存在でもあったようです。

ペニシリンの普及により一時減少しましたが、1970年代頃から自然治癒療法への関心が高まったことで再び医学、薬学、歯科学などの様々な観点から論文として発表されティーツリーは、大規模に栽培されることになったのです。

”最高品質で製造”される人気オイル

現在は、アロマオイルとして認知度が高いことが多く、原産国であるオーストラリアはもちろん世界中の人から使用されているティーツリー。抽出方法は、他のアロマオイルと同じく最もポピュラーな水蒸気蒸留。

オーストラリアの農場などで大切に育てられたティーツリーの葉を手早く蒸留釜に入れ、蒸気を吹き込みます。するとティーツリーの葉に含まれる香り成分が気化し、水蒸気と共に取り出されます。取り出された香り成分を含む水蒸気を冷却することで液体に戻る仕組みです。

液体は2層に分離されているため、ここから精油のみを取り出します。この方法で100%純粋なティーツリーオイルが製造できるのです。何千年も前から人々を心身ともに癒してきたティーツリーは、特に人気な香りで愛用する人が多く最高品質を保つことが重要視されてきました。

アメリカのカルフォルニア州では、ティーツリーオイルの専門メーカーTea tree Therapy(ティーツリーセラピー)が設立されました。100%の純粋なティーツリーのアロマオイルの他にも化粧品なども販売し、全ての製品で石油化学成分、パラベン、ラウリル硫酸ナトリウム、EDA、鉱油、合成着色料、動物成分フリーで製造するのが特徴。

この他にも、ティーツリーオイルの素晴らしさを世界中に伝え、特性を利用した製品を供給することを掲げるティーツリーオイルを専門に扱う会社は増えつつあり、ティーツリーが誇る人気の高さがわかります。流通しているティーツリーオイルが100%純粋なものだと私たちも安心して手に入れることができるのです。

”フィジカル、メンタルともに万能”オイル

”気持ちを前向きにしてくれる清涼感ある香り”が特徴のティーツリー。気持ちを切り替えてリフレッシュしたい時に最適です。イライラする時や気分が落ち込むネガティブな時、うつ病の症状もティーツリーの香りが改善します。

古くから抗菌薬として使用されてきたことから、抗炎症効果もありニキビケアとしても効果的。消臭効果にも優れ、汗や臭いの予防にも役立ちます。また免疫調整作用もあり、痒みを抑える効能を持ち虫刺されや足水虫、シラミなどのトラブルにも効果的。

女性も近年多いカンジダ症にも効果を示すとの研究結果も発表され、難病エイズ治療への研究も始まりました。インフルエンザなどの病気予防、お肌や頭皮のケア、火傷の治療、そしてメンタルケアにも活用される万能なティーツリーは、効果も絶大なメディカルハーブなのです。

ミントに似た香りで独特の清涼感あるウッディーでクールな香りが、心を落ち着かせ不安定になりがちな感情のコントロールを正常にする効果もあります。気持ちが落ち込んだ時にの心のケアにはぴったりなアロマオイル。

”病は気から”と言われる言葉は有名ですが、心が安定していると言うことは、健康に大きく影響を与えます。特に生理中のイライラや更年期による情緒不安定な女性独特な悩みにも「良い香りだ」と感じ、リラックスできるアロマオイルです。ティーツリーが属するフトモモ科の植物は、呼吸器系に対し良い働きをし、乾燥改善にも効果があります。

肉体的効果は絶大で、香りの特徴から精神的にも良い効果をもたらすティーツリーは、アスリートにとってもオススメできるアロマオイルなのです。

今回は、ティーツリーの植物や歴史、効能効果についてお話しました。メディカルハーブと言われるようになった由来にもなるほど多くの医療的作用効果も実証され、難病の研究にも活用されている自然由来のものとして珍しいほど万能なティーツリー。

その注目度から大手メーカーが切磋琢磨し最高品質なものを製造するため、流通されるものも100%純粋なティーツリーで安心して使えるアロマオイルです。

癒しやリラックス効果を求め、多くの人に使用されるアロマテラピー。医療用にも効能効果を期待して治療の一貫で行われるメディカルアロマ。そして身体的、肉体的にも多くのアスリートに広まりつつあるスポーツメンタルアロマ。

活用することでパフォーマンス向上に役立てていただきたいと考えています。多くのアスリートにアロマオイルの良さを知っていただくために、今後も発信していきます。