こんにちは。スポーツファーマシスト・アスリードフードマイスターの曽根ゆかりです。spaceで毎月メンタルと食事についてコンテンツを配信させていただいています。今月もよろしくお願いします。

【メンタルフード】
人の心と体は密に繋がっています。「病は気から」と言われているように心の状態が体の病気を引き起こすこともあれば、体の病気が心の病を引き起こすこともあります。
体は食事によって整えることが出来ます。私たちの体は毎日の食事によって作られているからです。
体を整えて皆さんの日々の積み重ねを後押ししてくれるような食べ物を「メンタルフード」として紹介しています。

2月終わりから国内でもコロナウイルス感染が拡がり、普段の生活ができない日々が続いています。ご自身やご家族、チームメイトやお知り合いの方は大丈夫でしょうか。今後は緊張した日々の疲れが出てくることも予想されますので体の声を聞きながら体調管理をしましょう。
また、自宅で過ごす時間が増えた中で多くの企業がコンテンツの提供をしています。その中で食に関係したものを一つ紹介します。「Soup Stock Tokyo」さんが、スープレシピを3月末まで公開されています。同じ具材でもスープの種類を変えるだけでアレンジできますので、参考までにURLを載せておきます。
〈レシピサイトURL〉
https://www.soup-stock-tokyo.com/wp-content/uploads/2020/03/SST_book_202003web3.pdf


 3月はスギ花粉の飛散のピークとコロナウイルスの影響による当たり前であることができない日々も重なり、いつも以上にストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。また、春は気温の寒暖差や進学・就職などの環境変化によって心身共に不安定になりやすい季節でもあります。
今回はいつもの食事を工夫することでできるメンタルフードを紹介します。

【セロトニンと自律神経】 セロトニンは、1月、2月のメンタルフードでも出てきました。脳内にある神経伝達物質の1つで、リラックス、安心感や幸福感をもたらすため、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。また、身体活動のON・OFFのバランスをとっている自律神経に対しても大きな働きがあり、心身の安定に重要な物質であると考えられています。



 自律神経は、呼吸や食べた物の消化、体温調整といった生きていくうえで大切な機能を調節していて、意思とは無関係に24時間働き続けている神経です。心と身体を活発にする交感神経と休ませる副交感神経の2つの神経から成り立っています。この2つの神経は、同じくらいの割合でバランスのとれた状態で働いているときには心身は健康に保たれています。しかし、過度のストレスや気候の変化などによって、そのバランスは乱れてしまいます。すると、身体の機能を調節する神経が乱れるので、不安や緊張感が高まったり、寝つきが悪い、胃腸の働きが落ちるなどの不調が現れます。これが、自律神経の乱れた状態です。春先は特に自律神経の乱れやすい時期になります。

【セロトニンとリズム運動】
 セロトニンは食事以外の方法でも増やすことが可能と言われています。いろいろある方法の中の一つが、「一定のリズムを刻むリズム運動を継続・反復して行うこと」です。例えば、スクワット、ウォーキング、深呼吸/腹式呼吸(ヨガ、坐禅など)などが該当します。
実は、このリズム運動の中でもっとも簡単なものを皆さんは毎日行っています。
それは、「噛むこと」です。

【しっかりと噛む】


 毎日の食事をすることが“セロトニン活動”になっているのですが、ポイントは「食べる」ではなく「噛む」ことにあります。スマホなどを見ながらの“ながら”食べや漫然と、ではなく、しっかりと「噛む」ことを意識しながら食べること、噛み応えのある食材を食事に取り入れることで、効果的にセロトニン分泌を促すことができます。 
また、口の周りにある筋肉は顔の多くの筋肉とつながっていて、口を動かすと顔の筋肉が脳に刺激を与えてくれます。「噛む」リズム運動は、脳に刺激を与えることでもセロトニンの増加につながります。

【作る時と食べる時のWでセロトニンUP!】
 「噛む」ことは、同じ料理はでも、使う食材の固さや大きさを”いつもより少し“変えることで、回数を増やしたり、意識的に行うことが出来ます。また、料理を作るときに食材を刻む行為がリズム運動の一つになります。

今回は、作る時と食べる時の両方でセロトニンUPできるチョップドサラダ を紹介します。

「チョップドサラダ」


・材料 
 野菜:手に入る野菜(2-3種類あるとbetter)
 味付け:お好みのもので

・作り方
1.生野菜の場合:いつもより大きめにカットする、又は大きめに手でちぎる

 温野菜の場合:いつもより大きめにカットする

 火を入れる時間を調節していつもより少し固めに仕上げる。

 (電子レンジの場合の目安:1㎝厚さの人参の場合、500Wで1分~1分30秒)2.お皿に盛りつけて、お好みのドレッシングなどと一緒にいただく


 
・固さや大きさの程度には個人差があるので、自分にとっての“いつもより少し”が継続できるポイントです。
・使う野菜全てを固めや大きめに変える必要はありません。1種類だけでもしっかり噛むことを意識しましょう。

・チョップドサラダはスプーンで食べられるので、好き嫌いのあるお子さんも食べてくれると話される保護者の方がいました。お子さんはよく噛むことが味覚や顎の発達につながります。好きな野菜や食べてくれる野菜で試してみましょう。


味付け例;写真は刻んだ野菜にじゃこを混ぜています。なるべく多くの栄養素が摂れるサラダにしたいので、じゃこや塩昆布などがある時は食材の塩味を味付けに利用することでミネラルをプラスしています。これに酢・ビネガー類又はオイル類(今回はアマニオイルを使用)、もしくは両方を合わせると塩味が馴染んで美味しくいただけます。


 
 豆類や茹で蛸などを合わせたサラダにしたり、サラダ以外でもオムライスの具材を少し大きくする、スープの具材を固めにすることでも噛む回数を増やすことができます。また、パン食の方はフランスパンやベーグルなどをたまに選ぶ、肉好きな方はたまに赤身肉を選ぶ、しっかり焼く、大きめにカットすることによって好きな食べ物で噛むことを意識できます。

しっかりと「噛むこと」は、消化と吸収を助けて食事からの栄養素をしっかり摂取できることや、唾液の分泌を促して免疫力を上げたり虫歯予防にもつながります。
普段の食生活の中の1食や1品で「いつもより少し固め、大きめ」を意識してメンタルフードに変えましょう。
メンタルフードが皆さんの積み重ねの後押しとなりますように(^^)